lulululunlulululun’s diary

文芸ユニットるるるるん。 UNIとかとうひろみは3月クララと走りだす

10月20日(金)

10月20日(金)
【UNI】Kさんがわたしの部屋に遊びに来たまま亡くなった。白く硬直したKさんは美しかった。わが家で荼毘にふすことにした。そういえば実家の住所は知っているんだ、と気づく。早くハガキ一枚でも送っていれば実家に知らせられただろう。ここで目が覚めて、家で亡くなったら警察が来るからハガキは送らなくても実家に連絡がいく、と現実の脳が伝えてくれた。
起きてぐだぐだ。体も心も動かない。5分だけヨガ。朝食後、作文していたら、ワイヤレスマウスの動きがまた悪くなる。乾電池をいよいよ交換しようと思って開けたら単三だった。家には単四しかない。朝から顧客と時間を合わせた作業がひかえているのでコンビニまで走った。コンビニの電池は高い。知ってる。ああ悔しい。昨日の百均で買っておけばよかった。夜は映画に行きたかったけれど、頭痛薬が効かないのであきらめることにした。

【かとう】カレーマルシェなんて、激辛マスターのクララにしてはおとなしい選択だね。
立川から特急あずさで松本へ。特急あずさは満席だ。さすが旅行シーズン。私はずいぶん早くからチケットを手配していたので、お気に入りの席に座ることができた(一番うしろの端っこ)。車内では深夜特急2をひたすら読んでいて、面白過ぎて半分以上読んでしまった。帰りに読む本がなくなることに危機感をおぼえる。松本駅に降り立つと、若干寒く感じ、今日の予報はあたたかいということだったけど、やはり信州は違うなと思っていたら、ガチで暑くなってきた。外国人観光客(すごく多い!)はほとんど半袖だ。そして春一番くらいの強風が吹きまくっている。まずは予約していたクレープリーへ、大糸線というローカル電車に乗って島内というところまで行く。ガレッットとシードルがいただけるということで、長野県といえば蕎麦粉とりんご。それをこういう洋風の感じでいただくのもいいなと思って、前から行きたかったお店だ。シードルが好きな友人の顔やるるるるんのメンバーの顔が思い浮かび、一緒に来たかったなあと何度も思う。ランチのあとは松本の町をぶらついて、いろいろ見、買った。一目惚れ的な散財もした。長野に向かう電車まで少しだけ時間があったので、駅ビルの本屋に寄り、宮部みゆき「蒲生亭事件」の上巻を買った。なぜか今まで読んだことがなかった本。なぜかと言うか、歴史が苦手なので私にはわからなそうと敬遠していたんだけど、この前武塙さんからすごく面白い、夢中になって読んだと聞いたので、私もチャレンジしようと思ったのだ。松本駅から特急しなので長野へ。ここで特急のシステムがわかっていない私、ちょっとしたトラブルがあってかなり焦ったが無事乗車。窓外を見ていたら雨が降り出した。途中の景色がとても素敵だった。「聖高原(ひじりこうげん)」という駅が途中にあって、誰も人はいなかったし、降りた人もいないようだったけど、すごく素敵な名前で、これだけで小説が書けそうだと思った。長野駅に着くと、ホームにある立ち食い蕎麦屋が美味しそうなことこの上ない。夜ごはんのお店を予約していなかったら吸い込まれていたところだ。それをなんとか振り切って、東横インへチェックイン。新しくできた東横インで、いろいろピカピカだ。部屋は、少しベッドの幅が狭いタイプを選べて、そうすると少し安くなる。ビジネスホテルのシングルルームのベッドサイズは何人で寝るつもりなんだ?と訝しむくらい広いから、こういう工夫は嬉しい。荷物を置いてから、予約を入れておいた長野駅近くの蕎麦ダイニングへ。友人が「いい意味で長野っぽくない」と言っていた意味がわかった。白木の内装が清潔感があって、女性がやっていて、ジャズが流れているこじゃれたお店だ。ビールと信州サーモンを頼んで、まだ食べられそうだったので舞茸の天ぷらをお願いしてから、最後に蕎麦を食べた。蕎麦の味はよくわからないんだけど、つゆがとても美味しかった。お店の人いわく、「あしたはさださんが来るから長野は大変だ」と言っていて、明日はさだまさしのコンサートがあるらしく、そういうときはお店はてんてこまいなのだそうだ。「この前マッチが来たときも大変だった」と言っていて、私はいまだにマッチに需要があるということに衝撃を受けた。私が誰に需要があるんだろうと常日頃思っているあの人にも、あの人にも、ファンはきっといるのだ。セブンイレブンで水とウェットシートとプリンと武塙さんおすすめの日本酒を買って部屋に戻り、少しテレビを見て、ストレッチをして寝た。なかなか寝付けず、ひさしぶりに睡眠導入剤×2と、Podcastを使った。

【クララ】定休日。本ひとしずくさんからトイレアンソロジーに掲載されるプロフィールの最終確認依頼。入稿直前のスピード感が伝わって、お腹がしくしくする。店主の綾さんは心臓が破れそうになっていると思う。
18時からの月イチ読書会「READING GHOSTS」の前に、ロフトに寄った。バスに乗っている間に雨が降り始めた。風が冷たい。
少し早くTOUTENBOOKSTOREさんに入り、読書会用に仕入れていただいているカレーパイ二種類を買い、コーヒーを飲みながら急いで食べた。一度お腹が鳴り出すと止まらなくなるので、二つとも食べた。パイ生地は意外とお腹が膨れる。スタート時1〜2体から始まり、いつのまにか6〜10体のゴーストがぬるっと集まる読書会。今回は8体のゴーストが集まってくれた。ある参加者さんが、ハロウィンシーズンにオススメの本として恒川光太郎「夜市」を挙げていた。以前「ある男」を「火車」に匹敵する面白さと紹介してくれた方だ。かとうさんと読書の傾向が似ているのかな。そういえば、かとうさん長野で何食べてんのかな、味覚戻ったのかな、などと連想する。積ん読解消のための読書会なのに、読みたい本が増えてしまう。
帰りには雨は止んでいた。スーパーで少し買い物をして、自宅まで歩いた。京極本の他に読書会用の単行本を2冊持っていたので、肩が砕けそうに荷物が重い。次に読む本は決めている。
ネットフリックスに追加されていた「殺意の道程」完走。バカリズムの脚本が好き。るるるるん5の小説はプロットのようなものは割と早く出来上がっていたが、小説化するのにやっぱり時間がかかった。やはり映画のノベライズ化みたいな書き方が合っているのかもしれない。「殺意の道程」を見ていて思いついたことがあるので、実践してみようと思う。
わたしは出発前に旅先のレストランを予約したことないです。

文芸ユニット るるるるん
新刊『るるるるんvol.4 ー付箋ー』発表! 
付箋小説・旅日記・座談会などもりだくさんです。
『るるるるん vol.3 ー鏡ー』も発売中。

Twitterhttps://mobile.twitter.com/lulululun_
Tumblrhttps://lulululun.tumblr.com
Instagram⇒ https://instagram.com/lulululun3