lulululunlulululun’s diary

文芸ユニットるるるるん。 UNIとかとうひろみは3月クララと走りだす

12月1日(金)

12月1日(金)
【かとう】早退してタソガレ展の搬出へ。原画たちを一同に見られるのは本当に今日で最後だ。もう一度じっくり見てから絵の下にかかっていた手書きの小説文章を取り外し、動物ヨーチのデコレーションを外し、タソガレ美術館だった壁は、またもとの、次の誰かを待つ白い壁になっていく。未来さんは作業が早くてテキパキテキパキ、あっというまに絵を梱包していく。春に原画を買ってくれた人は届くのをずっと待ってくれている。ようやくお手元にお届けできます。芳名帳を見ると最後の日までいろんな人が訪れてくれたことがわかる。綴方に私への差し入れが置いてあって、誰からなのかわからず、家で開封してみると石鹸とシャンプーのセットとお手紙が入っていて、でもお名前が書いてなくて結局どなたがくださったのかわからない。もしこの日記を読んでいたら、どうかお名乗り出ていただけますよう。お礼を申し上げたいです。タソガレ展の何もかもが終わって、充足感に満たされた。私はちゃんといるべき場所にいる。

【UNI】朝、ふたコマ学習。始業前にスーパーへ駆け、食品トレイを出してヨーグルトを買った。これが今日最初で最後の外出だった。
月初はアシスタントの仕事が激務。請求書関連が殺到する。新しく担当する顧客の作業は事前にレクチャーを受けていたのにやっぱりわからなくなっている。これは正直マニュアルがシンプルすぎる。
夕方には実家でごはんの予定だった。無事夕方に仕事を終えられるか心配になっていたところ、親が二人ともベビーシッターに行った際に孫からインフルエンザをうつされていたと判明した。コロナ検査もしてもらえたようで、とりあえずは陰性だというのでほっとした。やっぱりまだ老人がかかるには訳のわからない病気だから心配だった。アイスでも買っていってあげようと思う。

【クララ】休日。今日こそ本ひとしずくさんに古本市で販売したトイレ本の売上金を届けなければと思っていたのに、二度寝してしまった。父親に車で駅まで送ってもらう道中で、ずっとお世話になっていたクリーニング店のRさんが亡くなったと聞いた。父もショックを受けていた。Rさんは、実家で飼っていた犬にいつもこっそりおやつを食べさせてくれていた。わたしのことは「お嬢様」と呼んでくれていた。寂しい。88歳だったそうだ。
先に別件の打ち合わせを済ませ、急いで本ひとしずくさんにお邪魔した。いやにカバンが軽いなと思ったら、レンガ本を入れ忘れていた。往路の電車では羽織虫さんのZINEを読んでいた。文章が普通に上手いし、乾いたユーモアもある。シティ派だ。ひとしずくさんではエトセトラブックスから出ているウルフの薄い本を購入した。2階で陶器のアクセサリーや小物の販売をしていて、片方失くしたピアスに合いそうなものを吟味して一つ買った。十数分しかいられなかったけど、いい買い物ができた。
朝起きた時から痛かった背中がどんどんひどくなってきて、息をするのもしんどい。映画の時間を調べていたけど、行くのはやめた。出掛けに実家に寄った時、珍しく母がこたつで横になっていたのがずっと気になっていて、実家に寄ることにした。
母は整形外科で急遽レントゲンを撮ったため、3時間以上病院にいて疲れたと言っていた。手首の腱鞘炎が右から左に移ったそうで、あまり調子が良くないようだ。Rさんの話も出て、自分がどんな死に方をしたいか家族と話し合っておく必要があるね、とわたしは言った。

文芸ユニット るるるるん
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付箋小説・旅日記・座談会などもりだくさんです。
『るるるるん vol.3 ー鏡ー』も発売中。