lulululunlulululun’s diary

文芸ユニットるるるるん。 UNIとかとうひろみは3月クララと走りだす

11月26日(日)

11月26日(日)
【かとう】タソガレ展期間で綴方の最後の店番。もうこの展示も見納めだ。とても寒い日で、小雨が降っていて、石堂書店はお休みで、みんな「本は港」のイベントに行っている。誰もいない。一人で店のシャッターを開け、一人で店の真ん中に立って、ゆっくりと展示を見る。一つの世界を一緒に作ってくれた佐々木未来さんには感謝してもしきれない。とても小さな世界だったけど、私には全宇宙だった。レジを開けて開店しても、お客さんは誰も来ない。12時に店を開けてから14時くらいまで本は一冊も売れない。編みかけのものを持って行っていたので、YouTubeでamirisuの動画を見ながらひたすら編んでいたけど、あまりの寒さに手がかじかんできて針がうまく動かせなくなってきてどうしようかと思っていたら、Yさんが来てくれた。Yさんはこのほど小説を書き上げたということで、はるばる遠くから、わざわざそれを届けに来てくれたのだ。滅多に会えない人が、わざわざ作品を届けにきてくれるなんて本当に嬉しかった。なかなかゆっくり話せる機会も今までなかったので、寒くてお茶も出せない中、座ってもらってゆっくり話ができた。Yさんが持ってきてくれた新作小説はとても素敵な佇まいで、見ただけで良い本だということがわかる。この本と、さらに新作を携えて盛岡の文フリに出るということだ。Yさんの盛岡熱を今まで見てきた影響で、私もいつか盛岡に行きたくなっている。寒い場所には寒い季節に行きたい。盛岡に東横インあるかな。その後Mさんも来てくださってサインをさせていただいたり、浮世絵の話をしたり。『文集・先生』に載っている「ホットミルク」を読みましたと言ってくださったお客さんもいた。ホットミルクを読んでくれてる人はなかなかレアだ。そうこうするうち、店番後半は瞬く間に時間が過ぎた。この日ばかりは店を立ち去り難かった。帰り支度をしていると、猫が死んでしまったと、アメリカの妹からLINEが入った。会ったこともない猫だけど、出会いのエピソードからずっと聞いていて、からだがずしりと重くなるような悲しみが襲ってきた。もう一度、タソガレの景色を網膜に焼き付けて、崎陽軒シウマイ弁当を買って帰った。

【UNI】犬飼さんと大正タグボート乗り場で待ち合わせ。初めてリアル犬飼さんと会う。パソコン画面の中でのイメージよりすこし背が高い。
「落語家と乗るなにわ探検クルーズ」に乗り込む。座席に着くと犬飼さんが「今月まだハプニング起きてないんですよね」と言うので、そうだこの人はハプニングの神様に愛されている人なんだった、と思い出して怖くなった。船の構造上、座席から川の水面がとても近い。救命具は座席の下にあるなどとも言われていない。沈んだらどうやって船から脱出する?ちょっと厳しいんじゃない?怖い。
それも噺家さんのガイドにすぐ紛れた。わたしはてっきりずっと小噺を聞くものだと思っていた。そうではなくて、この辺りの橋から大阪城天王寺のお堂がどう見えたか、昔はどういう街だったかと、本当にガイドさんのように説明してくれた。カンペも無し。
犬と街灯へ移動。商店街のはしに、そっとある感じ。フラさんの絵が展示されている。えんぴつで描かれてやわらかで、寂しげで、すてきだった。枯れかけの花の魅力について聞いた。もっとお話を聞きたくなった。犬と街灯に並べられた本は自費出版やzineが中心で、その創作の熱がわたしを泣かせにかかってきた。

【クララ】遅番。朝のアイドリング中のめまいがひどくなっている。早めに昼ごはんを食べたらお腹が温まって少し楽になった。朝ごはん、食べたほうがいいのかな。YouTubeで見ているタロット占いで「悪い習慣を捨てる時」と毎月言われている。お酒と野菜生活、睡眠不足。
るるるるん5の小説のタイトルが全然降ってこない。こんなにタイトルで苦労したのは初めてだ。コックリさんに相談したいくらい。
夜の内職タイムに入り、京極本をデスクに置いたところで来客や事務仕事が続いた。今日も本を開けなかった。たとえ1ページも読めなくても、レンガみたいに分厚い本をどこに行くにも持ち歩いている。
ドラマ「ザ・クラウン」のマーガレット王女のまつ毛がマスカラの重ね塗りでひじきになっていた。資生堂のマスカラコーム貸したろか。

文芸ユニット るるるるん
新刊『るるるるんvol.4 ー付箋ー』発表! 
付箋小説・旅日記・座談会などもりだくさんです。
『るるるるん vol.3 ー鏡ー』も発売中。