10月13日(金)
【かとう】武塙麻衣子さんと飲む。武塙さんのツイッターや書くものをチェックしていれば必ず行きたくなる栄屋を予約してもらい、会社を早退していそいそと向かった。途中で川崎のラゾーナに寄って、来週持って行く手土産にクルミっ子を買おうと思ったら、すでに完売していた。オンラインショップでも買えないし、最近のクルミっ子の入手困難さは異常だ。仕方ないので二番目に推しの川崎手土産を買った。武塙さんと待ち合わせして、初めて鶴見線に乗った。どの駅も聞いたことがない。どこかへ行ってしまいそうな不穏さを感じる電車だ。栄屋は大衆居酒屋なんだけど、なんとなく品があって、お店の面積や音楽の音量がちょうどいい。お店の人もズカズカしたところがなくて、優しさと品がある。私はこのお店でとにかくなめろうが食べたかった。お刺身はそれほどたくさん食べられない私でも、薬味をたくさん入れてたたいたなめろうは食べやすい。栄屋のなめろうは、基本、というかんじでとてもシンプルなんだけど、一皿一人で食べられそうなくらい美味しい。途中で「日本酒にすればよかった！！」と思いながら、私にしてはハイペースで生中を飲んだ。その後、レバーやたまごのおつまみを頼み、最初の一口に目を瞑ってしまうほどどれも美味しい。そして今回のハイライトである秋刀魚のまんまというお料理。「ごはんの上に秋刀魚が載っている」という説明を聞いたとき、お酒飲んでるのにごはん食べるの？秋刀魚丼？食べられるのか？と不安がよぎったけど、たぶん誰もが想像するものと違うものが出てくる。秋刀魚の季節しか食べられないということで、武塙さん、よく連れて来てくれたよ！！と手を握りしめたいくらい感動した。どういうふうに表現したらいいのか、美味しいという言葉では足りない。言うならば「お父さんやお母さんに食べさせてあげたい」と思う美味しさだ。また来年絶対に行きたい。武塙さんとは話が尽きず、相変わらずいろんなことに驚かされ、いろんなところで目から鱗がはがれた。猫とか本とか食べ物の話を縦横無尽にできて、ずっと愉快だった。おすすめされたイコライザーを近々見ようと決めた。
【UNI】なめろう、いいな。秋刀魚のまんま、想像つかないけどなんかいいな。
洗濯機をまわしてヨーグルトを買いに行ってゴミの日だと気づき、食べられないまま賞味期限をはるかに越えたものを袋詰めにして表に出した。ごはんも食べずにこれだけ動いたのでフラフラで、アパートの住人が掃除をされていたのを見ていたのに頭が回らずに、無視してしまった。今度会ったらちゃんと挨拶しよう……
ゴミ出しに玄関を出たらドアの左右をカメムシ二匹が守ってくれていた。風神雷神、と心のなかで思う。
うっかり45リットルの神戸市指定燃えるゴミの指定袋を買ってしまい、周りからも45リットルのをいただき、それが70枚もある。一人暮らしに45リットルはいらないということをすっかり忘れていた。
【クララ】定休日。ひき肉料理に使うスパイスの名前が思い出せず、シナモンとサフランを行ったり来たりして午前中が終わる。電車で『鵼』を読んでいたら、地下鉄のホームと電車内、地下街にあるジュンク堂の入り口で、泣いてなどいないかのように、はらはらと落涙している女性を立て続けに三人も見たことを、急に思い出した。美しかった。
夜の約束の時間ギリギリまでカフェで小説を書く。フォロワーのTさんの相談というかお話を聞く会。串カツや味噌おでんなどをいただく。このあと小説の続きを書くつもりで、アルコールはハイボール1杯だけに留めた。家近の駅のカフェに飛び込み、閉店まで40分ほど小説を書いた。アイスコーヒーを飲んだら頭とお腹がスッキリして、帰ってマッハでお風呂に入り、また書いた。iPadの指紋認証がきかず、パスコード入力の画面に遷移もせず、焦って再起動したら元に戻った。第7世代、そろそろ寿命なのか。今マシントラブルが起きたら絶望しかない。しばらくロックを外して使うことにした。小説の修正はかなり進んだが、類語辞典などで調べたい箇所がたくさん増えてしまった。365日このペースで書けたらいいのに。お風呂に入るとき、朝足首につけたマラケシュがふんわりと香った。夜、ウォッカソーダ2杯。
文芸ユニット るるるるん
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付箋小説・旅日記・座談会などもりだくさんです。
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