lulululunlulululun’s diary

文芸ユニットるるるるん。 UNIとかとうひろみは3月クララと走りだす

2月4日(土)

2月4日(土)
【かとう】長崎最終日。朝ごはんにホテルに近いスタバへ行ったらまだ開店前だった。あらためてドトールのある町まで行くのは時間がもったいなく思え、コンビニでサンドイッチを買おうと思って振り返ったらおにぎり屋さんがあった。初日にいただいたおにぎりがすごく美味しかったので、ここで葉唐辛子としおからのおにぎりを買った。やっぱりその場でにぎってくれて、あたたかくて、にぎりがゆるくて、小ぶりで美味しい。これは長崎の味。なんでもないものなのに、私はこれからおにぎりを食べるたびに長崎が恋しくなるんだろうと思う。それから大浦天主堂グラバー園へ。来たからにはやっぱり観光スポットは見てみたい。大浦天主堂が想像以上に面白い。キリシタンたちの生き様がドラマチックすぎて、これ大河ドラマでやってくれないだろうか。弾圧に次ぐ弾圧はやっぱりドラマにしにくいかな。遠藤周作の『沈黙』は近々読んでみたい。大浦天主堂の建物から出てきたときに突然話しかけてきて知らないうちにガイドを始めてくれたスーさんの説明も面白かった。スーさんは老人なのにものすごくイケメンだった。グラバー園はちょっと駆け足で、お昼はスパゲッティとピザ。ここで早くも「る5」についても話す。それから長崎のおみやげを買う。私はかんころもちというのを買った。初めて聞くけど、羊羹? すごく美味しそうで楽しみ。波佐見焼の急須が本当はすごく欲しかったんだけど、なんとなく買うのをあきらめた。それからBOOKSライデンさんへ。ライデンさん、実は勝手に敷居の高さを感じていた。とっても哲学があって眉間に皺を寄せて、普段からスーツを着て丸眼鏡をかけている50代の男性だと思っていた。実際はすごく優しくて気さくなお兄さん。ライデンさんはカフェスペースも広くて、ワッフルの甘い匂いがたちこめている。食べずにはいられない。みんなひとつずつ注文して、自己紹介をしたら、るるるるんのことを知ってくださっていた。「小さい本屋の小さい小説」も置いてあった!長崎に小さい小説!これからお世話になりたいなあ。そうこうしているうちに空港へ向かう時間。ここでクララとはお別れだ。次はいつ会えるのだろうと思うと、ぎゅっとハグしてお別れを惜しみたくなる。私たちは友だちじゃないけど、とても大切な存在なんだ。空港で、カステラとかクルスとか琵琶ゼリーとか、買い忘れたお土産を買う。桃カステラを買う予定が、予想以上に高くて諦めた。飛行機に乗って、うにちゃんともお別れだ。うにちゃんとはクララ以上に会うのが難しくなる。でもまた一緒に旅をしたい。羽田に着くと、吸い慣れた空気の密度と手触り。旅はおしまいだ。私はまた好きになれない町で生きる。

【クララ】るるるるん長崎旅最終日。朝は目覚ましでなかなか起きられなかった。しつこくアラームをかけていたので隣のかとうさんが呆れていたかもしれない。ウニスカさんでいただいたごま豆腐の抹茶味を朝ごはんにいただく。コーヒーによく合ってとても美味しかった。
9時にホテルを出て、大浦天主堂グラバー園という王道観光コースへ。大浦天主堂では隠れキリシタンの弾圧(崩れ)と殉教の歴史、国内の教徒分布図などが展示されていて、とても興味深かった。天草などにも行ってみたくなる。
グラバー園からの長崎の港と斜面に建つ家々の眺めが素晴らしくて、この景色の中で過ごせた3日間を宝物のように感じる。
今日のランチはかとうさんが調べてくれたワイナリーのレストランへ。ぬるい白ワインを一口飲んでかとうさんの様子を観察すると、案の定「フゥン」という顔をしていた。ハーフサイズのパスタを食べたUNIちゃんに「ピザ『は』すごく美味しかった」と何度も言っていたのがおかしかった。
先に発つふたりと時間までBOOKSライデンさんで過ごす。ライデンさんを「寿司職人っぽい人物」と想像していたから、その軽快さに拍子抜けしてしまった。ライデンさんがわたしたちの住んでいる(いた)街にゆかりがあることがわかって、それぞれとの地元トークが楽しい。もっと早くお邪魔すればよかった。るるるるん旅日記長崎編に書かせていただくことを快諾してくださった。丸く型抜きして残ったワッフルの端っこはどうするんだろう。全部食べたい。
バス停でふたりを見送る。わたしたちの別れはいつもさらっとしている。離れて住んでいても、ダサい大人にならない限りお互いを見失うことは絶対にないと信じている。また3人で旅がしたいと、旅が終わったときにいちばん強く思う。
ふたりと別れたあとは中華街やレトロな商店街をウロウロして、先ほど立ち寄ったショップに戻り、迷って迷って波佐見焼のスープカップを買った。家に帰ったら給食の食器みたいなお椀は捨てよう。
お土産と夕飯を空港で済ませるつもりで早めのリムジンバスに乗ったが、ランタンフェスの渋滞で30分以上の遅れ。フライトの25分前に搭乗手続きをして、12分前にゲートをくぐった。機内に入る人の列ができていたので安心して、急いで適当にお土産を引っ掴んで会計し、機内に駆け込んだ。機内ではGoogleマップで現在地を確認しながら夜景を見ていた。
帰宅して明日から容赦なく再開する仕事にうんざりして、いつもなら洗濯機を回すけど、さっさとお風呂に入ったあといつものカクテルを作り、いつも通り2杯飲んだ。

【UNI】起きてコンビニにコーヒーを買いに行った。
一日乗車券をフロントで買って、大浦天主堂グラバー園へ。どちらもぜったいに修学旅行で行っているはずなのに、忘れていた。なんとなく風景は神戸や函館に似ている。どちらかというと函館か。横浜ではない。どこも居留地にぎゅっと外国人が集められていたところ。でも景色はいいんだよね。
大浦天主堂で迫害に次ぐ迫害の歴史を読む。迫害した側が律儀にキリシタン名を残していたのが何ともいえない。名前を奪ってしまうことで歴史そのものを消そうとした国に後々なったけども。名前の大切さを思った。
グラバー園はたぶん定番だと思うんだけど、「ここグラバー邸じゃなかったのか!」を何軒か繰り返した。
BOOKSライデンさんへの印象ギャップは2人とおなじ。堅いおじさんだと思っていた。わたしの地元も駅名を言えばわかる、旅人だった。
帰る時間が近づくと寂しくなってとっとと帰りたくなる。もう終わり終わり、と走って逃げたくなる。クララさんと握手してバスに乗った。
かとさんは空港でまだまだお土産を吟味。わたしはここでカステラを買わなければ不安になってしまいそうだ、と思うほど長崎のカステラ圧がすごかったので、小さなカステラ箱を買った。(ハムちゃんにあげて、わたしは食べていない)かとさんとはバタバタしたまま別れて、握手はしてない。
品川で新幹線に乗る間際、キオスクでおにぎりを買った。ふだんなら買わないような玉子焼となにか(忘れた)のおにぎりサンドを選んだのはおにぎりメニューが豊富だった長崎の余韻からだった。

文芸ユニット るるるるん
現在『るるるるん vol.3 ー鏡ー』発売中。
小説・対談等がるるるるんできます。

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