lulululunlulululun’s diary

文芸ユニットるるるるん。 UNIとかとうひろみは3月クララと走りだす

2月3日(金)

2月3日(金)
【かとう】私にしては睡眠時間短いながらも無事に起床。朝ごはんを食べに、長崎のドトールを探して向かう。ホテルから少し離れたところが「町」というかんじで、アーケードがあり、そこにドトールがあった。旅先のチェーン店は禁じ手かもしれないけど、朝だけはつまらないいつもの平凡さが必要だ。知らない町のドトールは、いつものドトールよりも「お邪魔します」感。スイートポテトはなかった。今日は大浦天主堂グラバー園に行くつもりだったけど、夜のイベントまでまる一日時間があるのでなんだかもったいない。急にそうだと思いつき、「今日は佐世保に行かない?」とほかの二人にLINEする。急遽佐世保行きが決まる。高速バスに乗って2時間くらい。車中では、UNIとクララにインタビューをさせてもらう。前から聞いてみたかったことや私から伝えたかったことなど、わりとみっちりと。「るるるるんvol.4」の序文に使いたいなと思っているけど、使わないかもしれない。佐世保に近づいてきたとき、佐世保に到着したとき、私はどうして佐世保に行きたいと言ってしまったんだろう、行きたくてもいいけどなんで他の二人を誘ってしまったんだろうと激しく後悔。普通に郊外都市にしか見えなかったからだ。これならうちの近所とあんまり変わらない。どうしようと背中に冷や汗をかきながら、とりあえず目をつけたレモンステーキが食べられる店を目指す。Cafe.5というお店。このお店が大当たりだった。店員さんのホスピタリティ・雰囲気、そしてお料理がとても美味しかった。私とクララはワインを飲んで、ほんの少し酔ったようになったのも気持ちがよかった。その気持ちのまま港沿いを歩く。天気が良くて海が静かで、光がきれいで、UNIの小説の中の「つぶ」を思い出す。おしゃれなアパレルのお店にも寄ると、店主さんが長崎のことをいろいろ教えてくれた。長崎にはいい人しかいないのか?帰る前に駅の近くの教会に行き、中庭を見学させてもらっていたら、痩せた、髭の長い老齢の男性が現れて建物の中に入っていった。首からはロザリオを下げていて、まるでキリスト降臨だった。3人とも同じことを考えていたようで、急に背筋を伸ばして立ち尽くした。出島に戻り、急いで長崎ちゃんぽんを食べて、再び本屋ウニとスカッシュさんへ。Decchiさん、444号室さんと本屋夜話と題してオフ会のようなおしゃべりをTwitterのスペースで配信するイベントだ。るるるるん前号について、メッセージをもらってそれに答えたり、創作についてお互いのやり方を聞いたり、あっという間に2時間が過ぎた。自分の作品に何か言ってもらえることは、創作していて一番嬉しいことかもしれない。そしてあらためて自分の作品について向き合うことができる貴重な機会をもらえた。私は「はちまんびきのけもの」を書いたとき、苦しさの真っ只中にいた。消えたかった。それでも消えなかったことを選んだ。それが読んでくれた人に届いていたし、そんな気持ちをみんな抱えているとわかった。書くことは救いだと思った。でもあれはもう過去の作品。私はもう前に進んでいる。早くそれを目撃してもらいたい。ランタンを見ながらホテルに帰った。ランタンの動物はこのひもド派手で怖くて最高だった。部屋に戻ってから、ウニスカの河原さんにもらった胡麻豆腐を食べた。ひんやりして、甘くて、本当に本当に美味しかった。

【UNI】朝ごはんは家から持ってきたパンにチーズをのせて、家から持ってきたミューズリーをコンビニのヨーグルトに入れて食べた。二度寝したくなってぼーっとしてたら集合がかかった。
レモンステーキを食べて散歩しただけの佐世保だったけど、こういうのが好き。予定をぎゅうぎゅうづめにするのよりも。バスの中で書くことについてかなり会話できたのも楽しかった。こういうのはSkypeでは難しい。書くことと標準語と方言についても語りあえた。
夕方長崎に帰ってお腹いっぱいのままちゃんぽんチャレンジの時間になって、どうしようかと思ったけれど、お皿半分ほど皿うどんを食べることができた。
ながさき本屋夜話。ここでも書くことについてみんなで語りあえたのがしあわせだった。わたしたちがきっかけで文芸ユニットを組んだという二組だったけど、わたしたちがすごいとかではなく、きっかけをしっかり掴んで瞬発的に走りだした二組がすごい。そのきっかけを作ったウニスカさんは優しくほほえんでいて、「聖地」って感じだった。自分自身が北海道へ行ってしまうからこそ、こういう風に顔をあわせて語りあえることに大きなしあわせを感じた夜だった。帰り道のランタンフェスでは二人とはぐれてしまって子どもに戻った気分だった。怖かった。

【クララ】るるるるん長崎旅DAY2。朝は自然と6時半に目が覚め、4つの電子機器で5分おきにかけているアラームを慌てて解除した。かとうさんの提案で佐世保へ。往路のバスの中で、『過去作を読み返せば、書くことが上達しているとわかるはず』と、かとうさんからエールをもらう。かとうさんからインタビューを受ける中で、自分が秘めていた思いにも気づいた。
かとうさんの直感に従って、ダイナーのような雰囲気のレストランに入る。たくさん食べられないUNIちゃんがレモンステーキを完食すると、スタッフの女性までもが心配してくれた。隅々まで行き届いていて気持ちのいい店だった。きっとなにを食べても美味しいはず。そのあとお洒落な看板に誘われてふらっと入ったお店はレディースのセレショで、親切な店主さんが島原のトレンド情報を教えてくれた。今度長崎に来たら、島原まで足を伸ばしたい。
一旦ホテルに戻り、長崎ちゃんぽんを食べるなら今しかない!と、四海楼へ。昼のレモンステーキがまだ居座っているが、メニューを見ていたらお腹が空いてくるから不思議。四海楼からの眺めも最高で、稲佐山をパスしたUNIちゃんも夜景を見られてよかった。ちゃんぽんは優しい味で、白胡椒を百振りくらいかけた。
ウニスカさんに移動して、Decchiのスペース配信に参加。Decchiメンバーと同じくるるるるんを知ってグループでZINEを発行したという444号室の瞬発力とフットワークの軽さを、わたしたちも真似したい。『仲間がいれば意外と簡単に本は作れる』という一例になれたことがうれしい。
ウニスカの河原さんはるるるるんvol.2とvol.3を手にしていて、『小説の中の好きなフレーズに触れるために何度も読み返している』と言ってくださって、本当に感激してしまった。ウニスカさんのフリペ最新号の特集が「るるるるんがやって来る」で、見開きで贅沢に紹介してくださっていた。メンバーの妄想似顔絵を描いた河原さんは、「会ったことないのに似てませんか?」と、少し自慢げだった。ZINEを買うためには福岡まで遠征するしかなく、長崎にZINEが買える本屋を作りたかったという河原さんだから、るるるるんの本が世界一売れているのだと思う。
長崎の皆さんとお別れしたあと眼鏡橋に移動して、今日もランタンがパッと消えるのを目撃した。こんな終わり方は潔くて清々しい。
UNIちゃんとホテルの近くのコンビニに寄り、こっそり檸檬堂を1本買った。

 

文芸ユニット るるるるん
現在『るるるるん vol.3 ー鏡ー』発売中。
小説・対談等がるるるるんできます。

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