lulululunlulululun’s diary

文芸ユニットるるるるん。 UNIとかとうひろみは3月クララと走りだす

8月13日(火)

8月13日(火)
【UNI】朝、片付いていない諸々になんとか取り組み、実家へ。酷い暑さと、昨日一日寝ていた体力不足から、胸が苦しくなる。じわじわと汗をかきながら、ゆっくり坂をのぼった。
母は今日もDuolingoで英語の勉強をしている。チリン、チリン、とアプリの音が聞こえる。昼食後、父が夕食の下ごしらえ。
「お父さんってさ、家庭科は無かったでしょ?」
「あったで、裁縫」
あったんだ。
「料理はな、家で羽釜でおくどさん、やっとった」
おくどさん、という言葉がわからない。羽釜というからにはご飯を炊いていたということなんだろう。
「すごいやん、今やったら高いで、羽釜の炊飯器」
「おお。稲運ぶんはな、痒いからイヤや、言うたらな、風呂と米炊いとけ言われてな」
薪からつきっきりで炊いていたらしい。こっそり検索したら、おくどさんは「かまど」という言葉だった。
午後、両親と車で入院中の伯母のところへ。人工呼吸器をつけている姿にハッとした。声にならない声がなぜか聞き取れるときがある。「離婚したけど仲良くやってる」と言ったらちょっと笑ってるように見えた。足だけはよく動くので、最後のバイバイは元気よく足をバタバタ左右にふってくれた。それだけで、ほっとした。病室の壁にはわたしの従兄弟の子どもたちの写真がにぎやかに貼られている。写真の中のわたしと同い年のいとこは禿げていて、いさぎよく頭を丸めていた。伯母には孫が3人。うちの親には1人。孫ににぎやかに囲まれたかったのかなぁとか、考えてもしかたのないことを考えてしまった。たまたま産み落とし産み落とされた親子という人間たちだから、わかりあえないことは理解している。あまり先まわりして、勝手な想像をしないでおこう。
夜、帰宅してfmkiryuのthe village voice 。「怖い話」になった。メッセージで「元夫は霊感が強く」と送ったら、みえさんに離婚を伝えていなかったものだから「元夫? ぞわっとした!」とゾワらせてしまった。すみません。1年前に円満離婚しました。そのあと、山﨑さんのYouTubeライブ。音楽もよかった。多才だよなぁ。

【クララ】小夏休み。予定のないらしいYの話し相手をしながら家のことを粛々とこなす。記憶の一時置き場が小さいから、作業を中断させられると直前にやろうとしていたことを忘れてしまう。わずらわしい。
お昼は実家でお素麺。もうすぐ帰省する姪たちのおやつを買いに、両親とスーパーへ。このスーパーは無印とKALDIが入っていて、いつも駐車場がガラガラなのがいい。両親が店内を散歩しているあいだ、31でスモールダブルのアイスを食べて待っていた。
一旦帰宅してるるるるん日記を書き、「今日はiPadなしで出かけられるぞ、荷物が軽い!」と意気揚々バスに乗る。座ってすぐにバッグから本を出そうとすると、定位置にiPadが収まっていた。思わず大地真央風に「嘘でしょう?」と、声を張り気味に言ってしまった。アウトドア用品店でショルダーバッグを物色して、映画「コンセント同意」鑑賞。映画として嫌いではないが、胸糞が悪くなる内容だった。終電に気をつけながら、Barでジンリッキーブロンクステラスを飲んで涼む。ラーメン激戦区を歩いていたら、急激にお腹が空いてきた。
夜、DAIYAMEソーダ2杯、柿ピーひと袋。

【かとう】夏休み4日目。横須賀美術館エドワード・ゴーリー展を見に行くべく、早起きをして京急に揺られる。時間を早く読みすぎて、時間調整のために途中でタリーズに入りアイスコーヒーを飲んだら、とても美味しかった。タリーズのアイスコーヒーは暑さでぐちゃぐちゃになって乱れた脳内をパーティションで区切ってクッキリさせるように、私を生き返らせてくれた。リスペクト。電車の隣に座っていた人が、鳩サブレーの紙袋を持っていた。正しき神奈川県民の帰省の姿を見た。2時間かけてたどり着いた馬堀海岸の駅で友人と落ち合って、クーラーの効いていない地獄タクシーで美術館へ。まずはグッズを見る。グッズはどうしても何か買いたい。ゴーリーだもん。いろいろ迷って、Tシャツが欲しくなった。展示を見てから、どれにしようか決めて買おう。そう思って、予約した美術館併設のレストランへ。あまりにも暑く、前菜が来るまでにビールを2杯飲んでしまう。ビール、神の水。前菜に続いて、私はメインはゴーリー展のコラボメニューであるイカ墨ピザを食べた。とんでもなく美味しかった。私はイカ墨が大好きだけど、それでもあんなに美味しいイカ墨ピザは食べたことがない。海の近くだから?ビールはとっくにないので、白ワインを追加した。そこで異変が。食べながら、目がだんだん見えなくなっている。気づけば耳も聞こえない。気づけば、というか、実はちょっと前から気づいていた。グッズを見ていたときから。異様に汗が止まらず、苦しかった。それをビールで流してしまおうとした。流しきれずにもう一杯。熱中症のところにもってきて、アルコールが追い打ちをかけたのだと思う。もう一言もしゃべれない。友人たちも「顔、真っ白だよ!!」と言われる。お手洗いに行こうと思って立ち上がるも、よろけて歩けず、気づいた店員さんが駆け寄ってきて、大丈夫ですか!と、ひと騒ぎになってしまった。友人にもお店にも甘え、少し休んで歩けるようになったが、展示を見て回るのはとても無理。ということで、友人たちにだけ行ってもらうことにして、私は外の椅子に座って待っていた。なんのために行ったのか。本当にばかみたいだ。展示も見れず、Tシャツも買えず。帰りも友人がタクシーを見に行ってくれている間、座っていたが、その座っていた椅子がゴーリーの絵のパネルが横にある撮影スポットなのを知ったのは立ち上がったあとだった。あそこで写真を撮りたかったみなさん、すみませんでした。帰宅しておなかがすいたので、納豆たまごかけごはんを食べて、風呂、またおなかがすいて、赤いきつねミニサイズを食べ、就寝。沢木耕太郎さんのミッドナイトエクスプレスがspotifyに見つけ、流しながら就寝。しゃべりかたも素敵。

 

文芸ユニット るるるるん
新刊『るるるるんvol.4 ー付箋ー』発表! 
付箋小説・旅日記・座談会などもりだくさんです。『るるるるん vol.3 ー鏡ー』も発売中。『るるるるん vol.5』ただいま建設中。

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